しごと

【紀の川市】ちりめん細工「ちりめんや」

ちりめんへのこだわり、想いを継ぐ

関西空港のある泉佐野市に隣接している紀の川市は、伝統ある歴史・文化に恵まれながら四季折々の果物が収穫できる全国有数の果物産地の顔もあわせもっている。その中でも桃山町は全国有数の桃の産地として知られ、4月上旬の開花期には「ひと目十万本」といわれる桃の花が咲きほこり、辺り一面ピンクのじゅうたんを敷きつめた様はまさに「桃源郷」。そんな風情ある土地で100年以上続く酒屋とちりめん屋を営む木村早智子さんからお話を伺った。

ちりめんとの出会い

-ちりめんやを始めようと思ったきっかけは?

元々は100年以上続く酒屋やったんやけど、ちりめん(絹織物の一種)が好きでいつか店をすることが夢やったんですよ。13年ほど前にお酒とちりめんを店内で分けて販売を始めたら、いつの間にか、ちりめんがメインになってしまったんよ(笑)

-今と昔で商売の状況や環境は変わりましたか?

今は商工会でHPにあげてもらって店頭販売のみでやってる。昔は手芸教室や売り出しをしてたけど体力的にきつくなってきてね。ちりめん細工の先生に来てもらって10年ほど教室を開いてたけど、ここ3年ほどやってない。その頃は生徒が常時20名ぐらいいて、岸和田や泉南の方面から通ってくれてる人が多かったです。
先生は、古いちりめんにこだわりがあって(これは私も同じ想いです)作品には趣きがありとても良かったです。

-知識不足ですみません。古いちりめんと新しいちりめんってどう違うのですか?

まず色合いが違うのよ。そしてキレがある。
新ちりめんは色合いがハッキリしているけど、古いちりめんと比べると趣深さが全然違います。新ちりめんはポリエステルのようなだらだらした触感をしてるけど、古いちりめんは絹が入っているからたわたわして(たわみしなって)います。趣深さやちょっとした生地の触感にこだわる人は古いちりめんを好む。この店で飾っているのはほとんど古いちりめんなんです。

-確かに知識が無くても価値があることは素人でもわかる気がします…。

新ちりめんは洗濯ができてハッキリした色合いが出るから子供の着物とか今流通している小物に使われていることが多いけど、やっぱりキレが違うね。
ただ、古いちりめんはもうほとんど生産していない。一部では昔ながらの方法で生産しているところがあったり、古い家だと長らく使っていなかったタンスの中から出てくることがあるけど捨ててしまうところが多い。扱い方や、価値のわかる知識のある方が継いでくれると嬉しいんだけど・・・。

-少しながら生地の違いと価値がわかってきた気がします。生地はどんな使用用途があるんですか?

一般的には服に仕立てたりするんよ。自分も服にして着てるけど、最近の人はこんな生地の服着ないので、今若い人が着たら目立って良いんとちゃうかな(笑)

-オンリーワンですね(笑)

服以外にも手芸品、例えばカバンとか飾り、ブローチや小物とかお店にたくさん飾っています。

-趣味が高じて仕事になるとはまさにこのことですね。 

この建物は中二階があってそこにも飾ってるんよ。物置を片付けて作ったんよ。昔はいっぱい商品を置いていたんやけどね。

-骨董品の展示会のようですね




ちりめんに対する想い

-築100年以上とは思えない立派な建物で営み、大切にしてきたちりめんに対する想いがあると思いますが、どんな人に継いでほしいですか?

それは勿論ちりめんが好きで値打ちがわかる人に継いでほしい。少なくなったけど、今でも買いに来てくださる人はいるし、大切に扱って欲しい。問屋さんでもこれだけちりめんを揃えているところは少ないって言われます(笑)

-確かにそうですよね。でも、継業となると木村さんの培ってきたノウハウや既存の販路を活かしつつ、移住者の方の新しい視点で事業を回していってもらうことになります。場合によっては想いと違う方向にいくこともあると思いますが大丈夫ですか?

わからない事があればいつでも教えてあげるし、私はこの家の裏に住まいしてるのでこの建物は好きに使ってくれて良いですよ。水回りを改修したり多少荷物の整理をしてもらう必要があるけど、継いでくれる人が自由に使ってくれたら良いです。京都や兵庫等で服や鞄を作っている人がいて、そこへ生地を送って作ってもらい、それを売っていましたが体力的に負担になってきました。今持っている販路や知り合いの方々は紹介します。継いでもらった後は、好きに事業展開してもらったら良いです。

-例えばですが、古民家カフェとか家の形を利用しながら手を加えても大丈夫ですか?

好きにしてくれて良いよ。ここの地域には神社や酒蔵等見学スポットがある。市全体で観光客を誘致する流れもできているし、観光コースの一つとして入って上手く地域を活性化してもらえると嬉しいし、紀の川市、特にここ桃山町は全国的な桃の産地。桃を活かしたジェラートとか商品を作って販売する等工夫して有効活用してもらったら良い。古い帯も着物もあるので、ちりめんも売るだけでなく貸衣装や着付け教室等やっても良いし、着物としてだけでなく形を変えて小物として売り出すこともできるよ。

-100年以上続く酒屋さんの運営はどうされる予定ですか。

昔は29件ぐらい酒屋さんがあったんだけど、近くにスーパーやディスカウントストアができてから売上が少なくなってほとんど閉めてしまった。今でも買ってくださるお客さんはいるけど、この店もちりめんがメインになってるし、ここを継いでもらったら酒屋は辞めますよ(笑)

-最後に移住や継業を考えていらっしゃる方へメッセージをお願いします!

自分も13年商売をしてきてちりめんを大切に扱ってくれる人、自分の想いを引き継ぎついでくれる人に託したい。そんな方との出会いを期待しています。

事業所名 ちりめん細工「ちりめんや」
HP http://www.shokokai.or.jp/30/302081S0100/index.htm
事業内容:ちりめん加工・販売
所在地:紀の川市桃山町
対象者:移住者継業支援プロジェクトに登録済みの移住(希望)者でちりめんの知識がある方
引継条件:応相談
引継内容:応相談
住居提案:応相談
※継業に関するお問い合わせは下記にご連絡ください
和歌山県移住定住推進課 正木 073-441-2930 e0222001@pref.wakayama.lg.jp