MOMOMO PLANTS WORKS

スターチスのイメージを変えた花農家

会社情報

事業者名(会社名) MOMOMO PLANTS WORKS
住所 和歌山県御坊市名田町野島1651
業種 農林水産業
事業内容 生花(スターチス、ひまわり)および青果(スイカ)の栽培・販売

温暖な気候と豊かな自然に恵まれた和歌山県中部に位置する御坊市は、スターチスの栽培が盛んな地域。中でもミネラル分を含んだ海風がそよぐ名田町はその中心地です。

「年間を通じて非常に暖かく、冬でも気温が氷点下になることはほとんどありません」

と話すのは、名田町でスターチスの栽培を行うMOMOMO PLANTS WORKSの宮本一輝さんです。ツーリングやサイクリング、釣りや登山など、自然を満喫できるメリットも大きいと地域の魅力を語ります。

この地で花卉栽培を行ってきた宮本園芸のブランドの一つであるMOMOMO PLANTS WORKSは、仏花として親しまれてきたスターチスのイメージを打ち破り、新たな市場を開拓してきました。

バイオレット、ラベンダー、ピンク、イエロー、ホワイトなどのはっきりした色味が中心だったスターチスに、発色を抑えたアンティーク調やパステル調のカラーバリエーションを誕生させたのです。

「スターチスの価値を高めていくことを最終的な目標としているので、私自身は既存のカラーと新しく誕生したカラーを区別して扱っているわけではないのですが、市場では、“ニュアンスカラー”と呼ばれ、この5年ほどで一気に広まりました」

ニュアンスカラーの誕生で、スターチスは母の日商戦においても欠かせない存在となっています。

「既存のやり方にとらわれず、チャレンジングなことができる環境を整えたい」とブランドを立ち上げた宮本さん。

花業界や地域の未来を見据えたアプローチを試みる宮本さんのもとで、花弁栽培についてだけでなく、柔軟な発想で目標を実現する秘訣を学んでみてはいかがでしょうか?

今回体験できる内容

スターチスは11月後半から6月頃まで収穫が続きます。季節に合わせてスイカやひまわりなども栽培していますが、まずはスターチスに触れる体験を通じて植物の扱い方を学びましょう。

「植物に触れる際の力加減や切り方、雑草との見分け方など、いざやってみるとわからないことは多いと思います。ノウハウを感覚ではなく言語化してわかりやすく説明させていただきますよ」

例えば草刈りを行う際も、除草剤を使用せず草を刈るメリットをきちんとお伝えして始めるそうです。MOMOMO PLANTS WORKSなら、単なる作業体験ではわからない農業の奥深さを体感できるはずです。

「土壌消毒などで環境を制御してしまえば一時的に人間は楽になりますが、長い目で見れば土地が痩せていきます。痩せた土に雨が染み込むと土砂崩れの危険性が高まりますし、その結果、海産物にまで影響が広がる可能性があるんです」

「経済合理性と持続可能性のちょうどいいバランスを探ることが自身のテーマになっている」と宮本さん。「仕事の面白さは試行錯誤に尽きる」と言います。

「農業には人知を超えた要素があると感じています。多くの情報を検証し、正しい理解につなげていくのですが、その再現性は高いとは言えません。終わりのない取り組みですが、自分の考察通りの結果を導くことができると面白いんです」

就農してから12年経っても探究心が尽きることがなく、国内外の様々な文献にあたる日々だと宮本さんは話します。

「なぜなのか?と作業の意図に疑問を抱くような好奇心旺盛な方に来てほしいですね」

しごと・暮らしの特徴

宮本さんが就農して間もない2013年頃は、スターチスを含めた花の値段が落ち込んだ時期でした。その状況に危機感を持っていた種苗会社の社長との出会いがニュアンスカラー誕生のきっかけです。

子どもの頃から「もっとたくさんの色のスターチスがあればいいのに」と感じていた宮本さん。その思いを社長にぶつけたところ、これまでにない色のスターチスの存在を明かされ、生産を持ちかけられたそうです。

二つ返事で協力を申し出て、試作を繰り返した宮本さん。「若手だったからこそ、業界の先入観にとらわれず社長さんの提案を受け入れられた」と当時を振り返ります。

今では60種類ほどのスターチスを栽培し、MOMOMO PLANTS WORKSはニュアンスカラースターチスの草分け的存在と言われるまでになりました。

「価値ある仕事をすることによって、種苗会社さん、運送会社さん、資材会社さんなど関わってくださる方々と経済的な恩恵もやりがいも共有できる好循環を実現していきたいですね」

花卉栽培を環境面だけでなく人材面からも持続可能な産業として成長させ、地域の発展に貢献したいと語る宮本さん。声が枯れるほどの熱量でお祭りに参加するなど、地元の方との関わりも大切にしています。

「伝統的な地域コミュニティを残しつつ、若い世代が繋がっていけるのがこの地域の特徴です。地元の食材を味わったり、自然の中で楽しんだり、農業以外のプラスアルファの学びも持ち帰ってほしいです」

参加者としての気づきや疑問をぜひ宮本さんにぶつけてください。地域の方にとっても、移住者にとっても心地良いまちづくりにつながるご意見を期待しています。

体験スケジュール

1日目(13:00~17:00)
1.ごあいさつ、やりたいことや目的の確認
2.「MOMOMO PLANTS WORKS」の仕事の説明
3.仕事のお手伝い
・農作業(定植、収穫、草刈り等)
※実際の仕事状況によって変更があります。

2日目(9:00~17:00)
1.仕事のお手伝い
・農作業(定植、収穫、草刈り等)
2.スタッフや地域の方との交流
※実際の仕事状況によって変更があります。

3日目(9:00~15:00)
1.仕事のお手伝い
・農作業(定植、収穫、草刈り等)
2.最後のまとめ
・体験の感想、質疑応答
※実際の仕事状況によって変更があります。

集合場所・アクセス情報

集合場所:JRきのくに線「印南駅」

補足事項

最少催行人数:1名
宿泊場所:近隣宿泊施設(短期就農者用のシェアハウス有り)

体験経費

参加費:無料
宿泊費:3,000円/泊まで補助あり
※初回の体験のみ適用
食費:自費負担
交通費:自費負担