阪口 信吾(さかぐち しんご)さん

東京都→白浜町

大阪府出身。5年前にNECソリューションイノベータ株式会社に入社し、東京で勤務。2016年、同社による南紀白浜サテライトオフィス(以下「白浜センター」)立ち上げの際に白浜町へ移住。白浜センターは、同年の「ふるさとテレワーク推進事業」を活用し、白浜町役場が運営する「白浜町ITビジネスオフィス」に入居する形で設立された。大のコーヒー好きで、休日には趣味のゴルフを楽しむ。

地域が連携すれば、きっと価値あるものが提供できる

朝の風景、昼間、夕方、そして夜。海側に向いた壁一面の窓には、その日その時間ごとに違う景色が映る。「すぐに飽きると言われていたんですが、4年目になっても全然飽きないです。この風景が自分のなかでの自慢です」。そう話すのは、白浜センター長を務めるNECソリューションイノベータの阪口信吾さん。白浜センター立ち上げの際に、責任者として東京から赴任した。

もともとは、電話やメールなどを用いて遠隔でお客様とコミュニケーションをとるインサイドセールスを行う目的で設立された白浜センター。現在はITを通した地方創生といった取り組みへとミッションが変化している。2018年に白浜町と結んだ包括連携協定では、その一環として、白浜町の観光協会やDMO、温泉組合、商工会と協働で地域の観光を活性化するためのプロジェクトを行なった。

「ダイビングとか温泉とか、かなり良いコンテンツが紀伊半島にはあると思います。われわれはITの会社なんで、情報の電子化であったりアプリの作成であったり、できることは限られてるんですよね。地域のいろんな方々と連携することで、『また来たい』と思ってもらえるような良いものを提供できるイメージがあります。その要素の一つに自分たちがなれたらと思っています」と阪口さん。

紀南屈指の海水浴場「白良浜」。夏場は海水浴客のカラフルなパラソルが並ぶ。

2018年には、世界的旅行ガイドブック『ロンリープラネット』で、訪れるべき世界の10地域ベスト5にも選出された紀伊半島。地域として、また仕事環境として、そこにはどのような魅力や可能性が秘められているのだろうか。

ライフの充実により変化した、ワークへの向き合い方

赴任する前は、生活よりも仕事に多くの時間を費やしていたという阪口さん。白浜町に来てから、仕事と生活との“バランス”についてあることに気づいた。

「以前は仕事に軸足を置くというか、両足を置くような形で、余った時間をどういうふうに活用するかなんて考えてなかったんですよね。疲れて寝ているとか、そんな感じで。ライフの方が拡充してくると仕事の領域が減ってくると考えていたんです。でも実際はそうではなく、ここに来てからは、ライフが拡充してくるとそこに乗っかるようにワークの領域も広がってくるんですよ。仕事の量っていう意味じゃなくて仕事に取り組む姿勢がね。なので、ライフというのは重要だなと感じるようになりました」。

白浜センターの内観。普段の仕事のほか、合宿や会議などにも活用される。

大きな窓からは白良浜が一望できる。

開放感あふれるゆったりとしたオフィスの外に広がる、さらに豊かな風景。地域には魚介などの新鮮な素材を使った飲食店があり、趣味のゴルフは地域の人たちと繋がるきっかけにもなっている。育ち盛りの子どもや家族と離れて暮らしていることや、都会に行けばあるようなコーヒーショップがないことなど、不十分な側面ももちろんある。だが、阪口さんの表情からは白浜町での暮らしにとても満足していることが伺える。

接着剤になって、地域に潜む可能性を形に

白浜センターの立ち上げから4年。会社におけるいくつかの分野でテレワークが可能なことや、そこにも課題があることが見えてきた。今後は、地域に対する価値の提供という面で尽力していきたいと阪口さんは話す。

「利益が出る活動をしたいですね。利益が出る=ITの分野で社会貢献させていただいている、と私は捉えています。働き方改革や、ワーケーションという面では注目していただいているんですけど、まだ地元の人たちには、われわれの価値を提供できていないところがある。

例えば観光であれば、地元の商店や観光地が連携できる仕組み作りなど、バックグラウンドでITを活かしていけたら一つの成果かなと思うんですよね。地元の方にも喜んでいただいて、(NECソリューションイノベータの事業所が)ここにできた価値があって、続いていけるようにもなる。まだその道半ばです」。

IT関連企業6社が入る「白浜町ITビジネスオフィス」(満室:2020年8月現在)

阪口さんは、地域に潜む可能性を見つけることが、自分の可能性を見つけることでもあるという。

「パッと見たら静かな町に見えるんですけど、何らかの思いをもっている人が結構いる。そういう人が大半だと思います。そこを上手く接着剤になって、いろんな人と密に連携できていくと、形になっていくんじゃないかな。それが今は楽しみというか、苦労のしどころかな」。

職場の心地良さも、景色も、新鮮な魚の味も、実際に来て感じてみなければわからない。「いつでもウェルカムです」と阪口さんも快く受け入れる姿勢を示してくれた。パソコンでの仕事が可能な方は、阪口さんに連絡の上、一度白浜センターに足を運んでみてはいかがだろうか。

 

NECソリューションイノベータ株式会社
和歌山県西牟婁郡白浜町2998-119(白浜町ITビジネスオフィス2階)
TEL:0739-34-3024