HANCY CHRISTOPHER DORIAN(ハンシー・クリストファー・ドリアン)さん

東京都→白浜町

オーストラリア出身。ファッションデザイナーとして東京で仕事に携わる中、アトリエを構えたいという希望を叶えるべく、2018年12月、白浜町日置に移住。古民家を改修した作業場兼アトリエで、奥さまと共にデザイナーとして活動中。

白良浜に運命を感じ、移住を決断

2011年にオーストラリアより来日したクリストファーさん。2017年にファッションデザイナーとしてデビュー。東京都渋谷区のアパートの一室を作業場として利用していました。

しかし、奥さまの美子(みこ)さんと仕事を行う中、クリストファーさんが立ち上げたファッションブランドが大きくなるにつれ、手狭だった部屋を出て、どこかでアトリエを構えたいという思いが募りました。そこで関東地方を中心に、自然が豊かな地域で古民家の空き家を探したところ、望みの物件は見つかりませんでした。そこで思い出したのが、3年ほど前に美子さんとデートで訪れた白浜町でした。

「白浜町の白良浜海水浴場を見た主人が『なんだか懐かしい気持ちだ』とつぶやいたんです。そこでインターネットで検索してみると、主人の生まれ故郷の砂が白良浜で使われていることがわかった。2人とも『これは運命だ!』と思いました。そこから白浜町は、自分たちの中で思い出に残っていたんです」と美子さんは振り返ります。

2人とも和歌山に縁はありませんでしたが、海がきれいな白浜町の空き家バンクを調べました。
すると望みの物件がすぐに見つかり、トントン拍子で契約に至り、2018年12月に白浜町日置に移住しました。
「白浜町は日差しがクリアで自然が鮮やか。東京とは全く違う景色に感動しました。環境的にリラックスできます」とクリストファーさんは話します。

移住先は暮らしに便利な地域

白浜町日置にある住居兼アトリエからは、役場の出張所や郵便局、コンビニも徒歩圏内。
それに歩いて3分ほどで浜辺に着きます。利便性もあって、リラックスできる場所もある。クリストファーさん夫妻には打って付けの移住先です。

「本物のトノサマバッタを見たのは、初めてでした(笑)。初夏には蛍の幻想的な光を見て感動もしたし、人が優しくて居心地が良いです」と美子さんは話します。

「地域の人が支えあって生きている。本来、人間が生活する上であるべき姿がここにあります」とクリストファーさんはこの地域の良さを実感しています。

田舎でも仕事に不自由はない

一般的にファッションデザイナーという仕事は、都会で活動する方が何かと便利だと思いがちですがクリストファーさんはどのように考えていたのでしょうか?

「仕事を考えると、地域への移住は自分たちも迷いました。でも田舎で生活しながら仕事を続けていくことをチャレンジすることを決断し、自分たちも創造力を働かせて取り組むべきだと思いました」とクリストファーさんは語ります。

東京にアトリエがあると、担当者と話しながら生地のサンプルを決めることができますが、和歌山を拠点にしてからはネットなどで打ち合わせを行い、郵送で送られた生地サンプルをチェックし、色々なことを想定して仮説を立て、何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、最終的にどのような生地を使いたいのか決定します。

「固定概念を覆すのがクリエイターがなすべきことです」とクリストファーさんは断言します。2人のブランド名は「BEAUGAN(ボーガン)」。英語で美しいを意味する「ビューティフル:beautiful」と、オーストラリアのスラングで「武骨な人間」を意味する「ボーガン:bogan」を生み出した造語。「武骨だけど美しい服作りをする」という意味が込められています。

交流する機会をつくり、地域に溶け込む

日本での生活が長いクリストファーさん。地域で生活をする上で、大切なことを教えてくれました。
「地元の祭りに参加するなどして、積極的に交流する機会をつくり、地域に溶け込むことが必要です。それにもう1つのアドバイスは…祭りで呑み過ぎないこと。僕の場合は、次の日が大変でした」と笑います。

限られたオフの時間には、熊野古道や神社に足を運んだり、近所の海でシュノーケルをするなどしてリフレッシュ。仲良くなった猟師さんの活動を見学することもあります。白浜町での暮らしを満喫して、ファッションデザイナーとして仕事に励んでいます。

「自分たちの時間を確保するためにも、今より成長して、ブランドをもっと成長させたいです」とクリストファーさんは今後の目標を教えてくれました。

 

BEAUGAN
TEL.070-4453-1983
URL: http://beaugan.com/