博多 敏希(はかた としき)さん

東京都→串本町

和歌山県新宮市出身。2016年6月地域おこし協力隊として串本町へJターン。
2017年11月「株式会社 一樹の蔭(いちじゅのかげ)」を設立し、空き家を活用した地域活性に力を注いでいる。

パラオでの生活を終えて

2011年からミクロネシアのパラオ共和国でツアーガイドをしていた博多さんは、帰国後東京で営業職をしている中、いつかは和歌山県に戻って、地元を盛り上げたいと思っていたそうです。

ある日、Facebookで、当時パラオで知り合った方が帰国後、地域おこし協力隊と言う仕事をしている事を知りました。そんな時、串本町での地域おこし協力隊の募集を見つけ、Jターンしてきました。

地域おこし協力隊の活動を経て

博多さんの地域おこし協力隊としてのミッションは、串本町を観光で町おこしすること。
観光イベントの運営やサポートの他、串本町のブランドさつまいも“なんたん蜜姫”の栽培、古民家の活用事業、さらには教育現場での講義や指導など多岐に渡る活動をしていました。

「串本町はスキューバダイビングの名所としても有名です。パラオと海の質は違うけど、串本は世界最北端のサンゴの群生地であり、本州ではこの海に勝るところはないと思います。海の他にも素材として面白いところがいっぱいあるんですよ。」と語る博多さんは、地域の再生や古民家の活用などを手掛ける会社と知り合った事から、地域おこし協力隊任期中に「株式会社 一樹の蔭」を設立。

任期を終了した現在は、町内の空き家などを再生し地域の観光地化を目指して日々活動しています。「紀南地方の古民家の魅力を発信し、和歌山県を盛り上げていきたい」と語る博多さん。

歴史的な物件を活用して

株式会社一樹の蔭を含む6団体で構成され開始された串本町古民家活用協議会のプロジェクトで、博多さんは古民家の掘り起しや改修などを担当しています。

串本町に寄付された築140年の稲村亭、築100年の園部邸の2棟の古民家を活用し、「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」、「レストランみなも」、「古民家カフェcoyori」がこのプロジェクトで2019年にオープンしました。
現在取り掛かっている3棟目となる古民家のリフォームには、地元の人にも参加してもらえる「古民家DIYワークショップ」など、地元の人と一緒に地域を盛り上げていくことを考えているようです。

古民家ホテル「NIPPONIA HOTEL 串本 熊野海道」

串本町有田の稲村崎に流れ着いた流木で作られた部屋。

ノスタルジックな雰囲気の「古民家カフェ こより-coyori-」

串本が良い町という認識を広めたい

地域おこしのグループにも参加していて、移住してきた人とよく話をする博多さん。

「地元の人は、昔この地域がすごく賑わっていた頃を知っていて、だんだんと地域が寂しくなって行くのを見てきたから、諦めみたいな思いがあると思うんです。でも、実は移住者から見たらすごく魅力的な地域で、観光資源も豊富なんですよね。それを活用して地域を盛り上げていって、地元の人に魅力を再認識してもらいたい」と博多さんは語ります。

環境に馴染むことが大切

移住するにあたって、博多さんに意識していたことを尋ねてみました。

「ローカルのルールに馴染む事が大事。場所も変われば人も変わる。確かに当たり前の事なのですが、その当たり前に馴染めず苦労する人は多いかも。串本は気の良い人が多いので、そこら辺を歩いてたら知らない人が声をかけてくるんです(笑)。会話の中に地域に溶け込む情報がたくさんあるんです」。人の話を聞いて受け入れる事を大事にしていると話してくれました。

 

株式会社一樹の蔭
東牟婁郡串本町串本879-1