内山 清市(うちやま せいいち)さん

千葉県→新宮市

埼玉県出身。東京都、千葉県大網白里市での生活を経て、2016年4月、新宮市熊野川町に移住。自宅をリノベーションして2017年からCafe&ゲストハウス『縁ga環(えんがわ)』を経営。

生活を見つめ直し、移住を決断

田辺市本宮町の観光地や温泉、新宮市の街中にも比較的近い新宮市熊野川町。空気がきれいで山の緑に囲まれた自然の心地よさを感じる西敷屋地区に、内山さん一家は移住しました。
奥さまの始希(しき)さんと結婚した時は東京在住。始希さんの妊娠を機に他県への引っ越しを検討し、サーフィンが好きだったことから千葉県へ。移住したものの、環境は普通の住宅街。もっと田舎で暮らしたいという思いを巡らせて過ごしていました。そんな時に発生したのが2011年の東日本大震災でした。

「東日本大震災で多くの人々が亡くなったのを目の当たりにしたのと、僕の仕事の関係もあって、この時期に、移住を含めて生活を見直すきっかけになりました。移住先へのこだわりは特になかったのですが、妻が和歌山市出身なので、妻の故郷に帰るという選択肢はうっすらありました」と内山さん。

「今の世の中で、子供たちに自分たちはどういう背中を見せられるかと考えた時に、自分たちが人生を楽しめていないなと感じていました」と始希さんも話します。

当時、4人のお子さん(現在は5人)と生活していた内山さん。子供の教育方針もあり、移住してどのような生活を送りたいかを考えていた時、東京の有楽町にある移住相談センターで相談する機会があり、
「地元の方から、教育も含めた田舎暮らしに関する具体的なお話を聞いて共感し、さらに今住んでいる住宅が空き家だったという良いタイミングが重なって、熊野川町で暮らすことになりました」(始希さん)

移住してCafe&ゲストハウスをオープン

熊野川町に移住した内山さん一家は、補助金を活用して住宅をリノベーション。『Cafe&ゲストハウス 縁ga環』として、2017年2月にカフェ、5月にはゲストハウスを段階的にオープンしました。

▲自然の真ん中にあるのんびりとした雰囲気

「僕が別の仕事に就けば、リノベーションや開店準備が先延ばしになるので、ここは開店することに集中しました。移住当初の家は、まるでお化け屋敷(笑)。子供たちと一緒に床を貼ったり、屋根を修繕したり、家族みんなで楽しくリノベーションしました」。

カフェは完全予約制。地域で生産された農作物を地域で消費する「地産地消」にこだわったベジランチや自家製酵母ピザ、ドリンク類が楽しめます。ゲストハウスは食事付、素泊まりなどいろいろな宿泊スタイルに対応。移住希望者が見学に訪れることもあるそうです。

自然の中でスローライフを満喫

熊野川町は自然が豊かで水がきれい。常に癒されているという内山さん。家族みんなで熊野川町でのスローライフを楽しんでいます。取材時、ワイワイと元気に遊び回っている子供たちの生き生きとした笑顔が印象的でした。スローライフの極意とは?

「スローライフとは全てを自分たちの責任で行うので、何でも挑戦して、楽しみながら取り組めばいいと思います。まずは自分が何をして生計を立てていきたいのか、最初にビジョンを立てること。場所選びも含めて物事がスムーズに運びます」。

最後にこれからの目標をご夫婦に伺いました。

「いろんな人が一緒に過ごせる場所があるのが大事だと思っているので、普段の暮らしを通して、大人も子供も学べて楽しめる地域のコミュニティづくりをめざします。子供たちには田舎暮らしを経験することで、自然の豊かさを感じながら生きていけることをわかって欲しいです」。

▲家族みんなで田舎暮らしを満喫

Cafe&ゲストハウス 縁ga環
和歌山県新宮市熊野川町西敷屋450
TEL.0735-30-4370
※facebookより「縁ga環」で検索