森岡雅勝さん

大阪府→田辺市

奈良県出身。2018年4月に関西大学在学中から交流のあった和歌山県田辺市に移住し、仲間と一緒に「くまのこ食堂」をオープンしました。世界遺産・熊野古道を訪れるお客さんを相手に、観光地・田辺市の地域づくりに貢献しています。

本宮町との関わりは大学時代から

関西大学在学中(大阪府堺市)に所属していたゼミナールで、田辺市本宮町へ毎年、堺市の子どもたちを連れてエコキャンプツアーをしていた森岡さん。下見の段階から本宮町を何度も訪れるようになり、地元の人に話を聞くなど地域を知る活動を続けるうちに、目標や夢、思いを持ってそこで暮らし、働いている人がいるということに気付きました。「それまでは、田舎は仕事がないから都会へ出て、大きい企業に就職すると思っていました。しかし、それとは違う価値観で働き、暮らしている人がいることに気付き、もしかしたら地域って面白いのかもしれないと思うようになりました」と話します。

その後、他の仕事をしていましたが、次第に地域で何かしたいという気持ちが高まり、本宮町だったら何かできるという思いもあって2017年10月頃、移住することを決心したそうです。

共同体としての「くまのこ」

地域の人や田辺市本宮行政局の職員が大家さんに働きかけてくれ、2018年の2月に空き家を借りられることが決まりました。その後、物件の前を通る国道は近くに熊野本宮大社があって人通りが多いこと、徒歩圏内にゲストハウスはあるけど食事提供をしていないこと、夜間に開いているスーパーマーケットや飲食店がないことから、食堂を開くことにしました。

先に移住して準備してくれていた仲間たちと4月に合流し、翌月には食堂をオープン。食堂を運営する「一般社団法人kumano.co(くまのこ)」も立ち上げました。”co”にはコーポレーション(会社)のほか、コミュニティ(共同体)やコラボレーション(協力)の意味も含まれており、森岡さんは「誰か特定の人がいたからできた会社ではなくて、いろんな人と協力していける、若い人の共同体をつくりたい。次の世代を受け入れて、地域でいろんなことを経験し、今後の自分のキャリアを考えるきっかけになるような母体になりたいです」と熱く語ってくださいました。

お客さんは、周辺のゲストハウスを利用する人が中心。熊野古道歩きに訪れるのは海外の人が多いので、英語も日々勉強されているそうです。オーダーや会計など店の営業で必要な最低限の英語は、開業1年で話せるようになったとのことです。

「未来は明るいです」

森岡さんは大学卒業後に2回、それぞれ2か月間のプレ移住をしていました。ゼミでも何度も訪れているので、実際に移住してきたころには本宮町の暮らしは慣れたもの。「生活と仕事の両軸が一気に変わると順応するのが大変だと思いますが、スーパーマーケットが閉まるのが早いなど暮らしが大変なことは分かっていたので戸惑うことはなく、店づくりに集中して挑戦できました」と話します。会社の立ち上げや移住後の経験、今後について森岡さんは自分の考えをまとめてブログで発信しています。

紀南には地域個別の特徴があると言います。それぞれに特色があって、幅広く魅力的な地域。移住を考えている人には「事前に地域を知る機会を設けてほしいです」とアドバイスをいただきました。

今後はゲストハウスなどの開業も構想中。「田舎は仕事がないというけれど、まだまだ仕事を作ることはできます。そのためには人やお金が必要ですが、観光などの資源がいっぱいあって、未来は明るいなと感じています」と力強く語ってくれました。

【編集後記】
熊野古道という資源があり、本宮町という観光地化されたまちがあります。そこで生きる人の魅力に触れ、ここで自分も何かしたいと飛び込んできた森岡さん。森岡さんの前向きな姿勢がまちで話題になり、協力者が増えた結果、やりたいことが実現しやすくなっています。頑張っている人を気に掛ける人が多いことがこの地域の魅力だなと、改めて思いました。

くまのこ食堂
・所在地:〒647-1731 和歌山県田辺市本宮町本宮452-1
・電話番号:0735-30-0878
・ホームページ:https://kumanocoshokudo.com/

森岡さんのブログ「ICORA」
・URL:http://masakatsumorioka.me/