楠部睦美さん

愛知県→有田川町

和歌山県有田川町出身。親戚から譲り受けた古民家ではじめた、まさにもらいもののゲストハウス『もらいもん』。故郷に帰ってから広がりはじめた人や仕事の広がりに、楠部さん自身少し驚いているそうです。

田舎に似つかわしくない面白い人たちとの出会い。

愛知県の建築会社で働いていた楠部睦美さんが、有田川町にUターンで帰って来たのは2015年のこと。親戚のおばあさんの遺言で実家の隣の古民家を譲り受けたことが一つのきっかけになりました。「和歌山に帰ることはずっと頭にあって、戻った時の自分のセカンドハウスにしようと考えていたんです。でも、なんとなくこれをゲストハウスにするのはどうかな?と思って、ちょっとやってみようという気になりました。(笑)」。

建築会社で働いていた知見を活かし、こだわりの古民家民泊に改装。

ちょうどこの頃に楠部さんが出会ったのが、有田川町の若い人たちがつくる町づくりのグループ「AGW(keep Aridagawa Weird)」。「田舎に似つかわしくない面白い人たちでしたね。ゲストハウスに両親は反対していたんですが、このグループの人に話したら面白いからやりなよって。すぐその気になっちゃいました。」と話す。楠部さんがこのゲストハウス『もらいもん』のオープンにあたり、最も気にかけていたのがご近所との関係だそう。「田舎にお客さまを呼ぶので、周りの方の理解がないと難しいと思いました。だから、家の手直しが完成した時は、オープンハウスをしてまず見ていただいたんです。皆さんとても暖かくて、ずっと協力いただいていますね。」とほっとした様子です。

ゲストの半数近くが外国の方。

古民家を利用した農家民泊は、和歌山県が進める事業の一つ。農家民泊をするに当たりその条件となるのが農家体験の提供です。

裏山に広がるみかん畑は、宿泊者が喜んでいただける最高の散策ルート。

『もらいもん』では「郷土料理づくりや野菜果実の収穫、茶摘みなどをしています。」といろいろなことにチャレンジされている様子です。「私が子供の頃に祖母がしていた『なれ寿司づくり』とか、『味噌づくり』とか、最近見なくなったものを復活させてゲストの方と一緒になって楽しんでいます。」とニッコリ笑う。この『もらいもん』に訪れるお客さまは半分近くが外国の方で、楠部さん自身もまったく想像しておらずとても驚いたとか。

国内外問わず、満足と感謝の想いが込められた宿泊者ノート。

「外国のお客さまがこんなに来るとは思ってなかったですね。中でもアジアの方がとても多くて、香港、台湾、シンガポールとか、基本的には都会から来ているので、こたつを見て『アニメで見た世界だ!』とか、土間や畳の部屋を見て喜んでいただいています。」。町の外からお客さまを招き入れることは、少しずつ地域の刺激にも繋がっているようです。「ゲストの方には周りにある飲食店やいろいろな体験スポットを紹介しています。小さなことですけど少しずつ有田川町が元気になっていけばうれしいですね。」。

有田川町のガイドブックもつくりました。

現在、楠部さんはAGWに参加し、そこから派生した『有田川女子会UP Girls』の代表を務めています。「UP Girlsの活動では有田川町を紹介する『shiyola』というガイドブックをつくりました。

楠部さん達が制作した有田川町生活情報冊子「shiyola」。町活性化の重要なツールとして活用されている。

元々、地元のことを紹介するものがなかったので、それなら自分たちでつくってしまおうという話になったんです。」。この女性グループの活動を聞いた町役場が賛同し、予算がついたことで本格的な一冊の本になりました。「観光スポットを紹介したり、移住者の方の声を取り上げたり、町の魅力がたくさん詰まったガイドブックができたのがとてもうれしいです。」と言葉に力が入ります。楠部さんはこの本をつくったことで、和歌山県を紹介するイベントなどに参加されるなど、活動の場が広がったそうです。
「田舎暮らしというか、山や川など自然が近いのは人としていいことだと思うんです。口に入るものも新鮮になりますし。それと人ですね。周りの人と一緒に進んでいけるある意味濃い人付き合いができるのが、和歌山県のいいところだと思います。」と話されます。「移住に当たっては理解者、協力者を見つけるのが大きなキーポイント。だから私は、それをつなぐ人になりたいですね。」と、楠部さんは新たな移住者の架け橋になることを考えているそうです。

■ゲストハウスもらいもん
・所在地 和歌山県有田郡有田川町吉原1450
・TEL FAX 050-3555-1450
・Mail m.kusube@gmail.com
・ホームページ https://www.facebook.com/moraimon/